101-0065
東京都千代田区西神田1-3-6 ゼネラル神田ビル4階
TEL 03(3815)5188 
FAX 050(3488)9010
大塚総合法律事務所
 所長弁護士
 筑波大学法科大学院 教授
 博士(法学)、米国LL.M. (法学修士)& MBA 
        大  塚  章 
 
 

ウィーン売買条約批准の影響

 ウィーン売買条約(正式名称は「国際物品売買契約に関する国連条約(CISG)」)は、
国境を越える物品の売買契約の成立、並びに、売主及び買主の権利義務について規定しています。日本も近時批准し、日本での発効は2009年8月1日でした。ウィーン売買条約の締約国は、69ヶ国に及びます。いわゆる先進国において本条約を批准していないのは、イギリスのみとなりました。
ウィーン売買条約は、売主と買主とが異なった国に営業所をもち、かつ、以下のいずれかを満たす場合に適用されます。
・営業所のある国がいずれもウィーン売買条約の締約国である場合(1条1項a号)
・国際私法の規則によってウィーン売買条約の締約国の法が準拠法に指定される場合(1条1項b号)
本条約の締約国には主要先進国が名を連ねており、それらの国の法が準拠法として指定される場合も多いと考えられるため、本条約の適用される契約は相当広汎に及びます。ただし、本条約は任意法規とされており、当事者の合意によって適用を排斥し、又は内容を変更することもできます(6条)。他方、事前に適用除外の合意がない場合には、自動的に本条約が適用されます。したがって、売買契約書で、本条約をどのように扱うかが重要な論点となってきました。
 
ウィーン売買条約の主な特色

・承諾の効力発生は到達時とする(18条2項)
・ミラーイメージルールを修正している(19条2項)
・損害賠償責任は契約違反のみでよい(過失は不要)(45条1項b)
・重大な契約違反(25条)の場合にのみ解除できる(49条)
・追完請求権を規定した(46条3項)
・検査結果の通知は2年以内(かなり長期である)に行わなければ失権する(39条1項2項)
・隠れた瑕疵は契約違反として扱う
・不安の抗弁権を規定した(71条、72条)
 
 このような特色のある、ウィーン売買条約ですが、契約書の中でどのように対処すべきかは、ご相談ください。